フランス語1級の具体的な勉強方法をまとめたサイトが少ないと思い、自分の勉強の方針を整理するためにも、いろんな方の勉強法をまとめてみました。
1 出題傾向
仏検1級の大きな特徴は、名詞化と時事単語です。そのほかは、準1級までと形式的に大きな差はないと思います。いきなり1級を受験する人は少ないと思うので、他の形式については説明は不要でしょう。
ただし、形式に大きな差はないとは言え、文章中に出てくる単語の難易度は上がっているので、自分で扱える単語の量を増やしていくことは必須です。
2 1級合格者の勉強法まとめ
合格者の方がどんな勉強法を取り入れていたかをまとめました。
1、名詞化
これについては、かなりの方が『フランス語名詞化辞典』を使っているようです。名詞化するパターンや文章全体の書き換えパターンについて詳しく書いており、名詞化勉強の参考書について悩まれている方はこれを買っておけば間違いはないでしょう。
2、多義語
とにかく多くの単語に出会うために、フランス語のニュースをネットで見たり、読書や問題演習を繰り返しおこなって語彙を増やす勉強法が多いようです。範囲が膨大で、知ってるかどうかの勝負なので、捨て問題にしている人も多いようです。
3、前置詞
前置詞とタイトルではなっていますが、1級の前置詞問題はほぼ熟語の問題と言っても同義なので、これも多義語同様、たくさんの語彙に出会うためにニュースや書籍などで少しずつ勉強していたようです。
4、時事用語
ニュースや読書での対策
5、活用
一日3~5個程度の活用を復習
6~8 長文穴埋め、長文正誤判定、要約
ニュースサイトや読書
9、和文仏訳
日常生活で常にフランス語に言い換える練習
10、ディクテ
仏検公式ガイドブックの過去問を解く
le monde のディクテサイトを利用
DELF、DALFのディクテを利用
11、12 リスニング(穴埋め)リスニング(正誤判定)
自分の好きなラジオやYoutube を流し聞き
3 私の選んだ勉強方法
以上、様々な一級合格者の方の勉強法をまとめた結果、私が選択した仏検1級合格への勉強法は以下の通りになります。
1名詞化
正直に言うと、名詞化辞典は使っていません。準一級や一級の過去問を多くこなしていると、ある程度パターンが見えてくるので、名詞化の文章構造の書き換えのための参考書は必要ないかな、と自分の場合は思ったからです。それよりも、問題になりそうな名詞形の知識量を増やす方勉強法の方がいいな思いました。というのも、名詞化する単語の意味がそもそも分からないと、使うべき動詞の選択ができなくなるからです。名詞化で使われる動詞は限られているので、意味さえ分かればそれに適合した動詞を選ぶだけで、自然と文章構造も見えてくる・・・気がしています。
文章構造のストックは過去問分析で少しずつ溜めていました。特に、どういう動詞が使われやすいのかをストックすることが重要だと思います。例えば、provoquer (引き起こす)は名詞化において非常に汎用性が高いと思います。名詞形との親和性が高い動詞や文構造を考えながら勉強しました。
2~4 多義語、前置詞、時事用語
この3つは捨て問題としてとらえています。
要するに、知っているか知っていないかによるところが大きいと思ったからです。
後述する長文の勉強をやりつつ、いろんな文献やニュース、娯楽にフランス語で触れて地道に進めていくしかない、いわば一朝一夕ではどうにもならない範囲です。時間をゆっくりかけて仏検合格を目指す人以外は割り切って勉強した方がよさそうです。
5、活用
個人的な意見だと、この活用の問題は 単語力:活用能力=6:4くらいだと思っています。これも名詞化の時と同じで、活用に至る前にそもそも文意に沿う単語を選べないと元も子もないと感じます。実際活用で問われる活用形は多くはなく(現在、複合過去、半過去、条件現在、条件過去、大過去、接続法)、さらに問われる単語については基本形である er, ir, re, 特殊変化する avoir, être のような基本的な活用問われていると感じました。まずは、活用法の基本的な部分(例えば活用表の上位15くらい)を集中的に勉強するのが大事だと思います。
そうはいっても、活用表の全部を勉強しないと不安だよ!という人もいると思います。その点については、活用を勉強できるタイミングは活用に重きをおいて勉強するタイミングだけではないので安心してください。和文仏訳の時、ディクテの時など、意外にも活用の勉強をするタイミングは多いんです。そういったふとしたタイミングで少しずつ活用を勉強していけば、【5活用】に特化した勉強はそこまで時間を掛けなくてもいいと思います。
6~8 長文穴埋め、長文正誤判定、要約
この3つについては基本的には同じで、とにかくフランス語のメディアに触れることが一番手っ取り早いと感じます。合格者の皆さんもネットのニュースサイトや新聞、書籍等を毎日読んで、フランス語に慣れ、単語力を強化しているように思えます。私はまず過去問集を解き、出てきた単語でわからない単語を全部調べて暗記しました。フランス語検定でよく使われる単語と出される単語のレベルを確認しておくためです。このくらいの単語だと仏検では注釈になるのか~、といった感じで、一級の試験で覚えるべき単語や覚える必要がなさそうな単語のレベルがわかるようになってきました。超絶に基本的なことですが、一級合格のためにどこまで単語勉強をしたらよいのかわからない人は、まず過去問を解てみましょう!
私の体感だと、一級の内容は Le Monde 程は難しくないので、普段から Le Monde を教材にしている人は強いと思います。
教材に困ったとき以下のサイトのニュース記事を勉強に使ってみてはいかがでしょうか。
https://apprendre.tv5monde.com
9、和文仏訳
過去問を一通り解いたら、日本の文化についてフランス語で説明した書籍を使って、最初に日本語訳を見てからフランス語文をただ模写する勉強をしました。自分で考えてから模写する方が力はつくと思いますが、一種の休憩的な扱いで、ただ模写することに徹しました。模写をするだけでも、表現のストックが溜まった実感はあり、実際に訳す日本語と対面した際には文構造に悩む時間はかなり減ったかなと思っています。
10~12 ディクテ、リスニング(穴埋め)、リスニング(正誤判定)
この3つについては、とにかく耳をフランス語に慣らすことが大切だなと思います。過去問を解いた所感としては、準一級とレベルはあまり変わらないかなと感じました。試験対策としては、①試験形式に慣れるために過去問を解く、②フランス語のラジオやYoutube で耳を慣らす、③フランス語を早く書く練習をする、をこなしていれば実力はつくと思いました。
私が普段から聞いていたメディアは
Podcast franceinfo junior
TV5MONDE
NHK WORLD
Netflix
です。メディアに迷っている方は是非参考にしてみてください。